土井 一則 さん
有限会社永田モータース 代表取締役

〒470-2102
愛知県知多郡東浦町大字緒川字三角32
電話 0562-83-6125
FAX 0562-83-6126

緒川地区

子どもの頃から持っている緒川のイメージは、国道366号線より西側と東側に分かれていて、西側は昔から代々住んでいる人が多く、東側は新しく入って来た人が多い地区。昔の東浦は海が近く、今のJR緒川駅付近から、船が出入りしていたそうです。
緒川地区にある入海神社境内には、縄文時代の貝塚がありますね。地元の歴史を振り返ると、緒川城の城主水野忠政と、その娘、徳川家康の生母於大の方がいます。近代史でもいろんな出来事があって、例えば東海道本線を建設するため、武豊港からJR武豊線を使って資材を運んだそうです。

子どもの頃、国道366号線はでこぼこ道で、雨が降るとぬかるんでました。車が通ると泥がはねるので、近辺のお店は戸板をたてて泥をよけていたのを覚えています。当時から刈谷市へ行き来する車の通行量は多かったですし、名鉄バスは、お店の並ぶ緒川の細い路地を走ってました。トヨタを支える自動車関連の会社も多く、刈谷市で仕事をして、東浦に家を構える人が多いのでしょう。

永田モータースは私で2代目です。昔は鶏卵業を営んでいましたが、父が自動車整備工場を始めました。子供の頃、将来何になるかと聞けば、家業を継ぐという人は半数ぐらいいました。学校から帰ってきて玄関を開ければ、親が仕事をやっている。そういう時代でしたね。近くにクワの柄を作る工場があったし、鳥かごを作ってる人、縄屋さん、テーラーもあった。昔の商店街は文房具屋、床屋、洋服屋など、○○屋さんが多く、駄菓子屋さんは10円持って走っていけるところに、覚えてるだけでも5軒ぐらいありました。

物流がどうとかいう時代じゃなかったから、地元のものは地元で調達する。昔は徒歩30分圏内で1つの村だったけど、自転車や自動車でそのエリアは広がった。1時間圏内どころじゃないですよね。今の市町村は合併で大きくなり、交通革命が起こり、日本全国的に工場ができて、親工場が納めるようになりました。

今後の東浦

昔は商売をやっている人が議員になる場合が多く、例えば○○屋さんにいろんな人が集まり、井戸端会議のようなものを開いていました。地元の声に耳を傾け、吸い上げたものを議員さんが上に持っていく、という仕組みができていたと思いますが、だんだんとそれが難しくなってきました。
これからは、一生懸命がんばっても形にならないので、家業を継げないお店が増えるでしょう。フランチャイズの店も増えるし、お金を上手に回せる会社が勝ち。親の総勝ちです。

村おこしといえば観光でしょうか。減税や補助金は助かるけど、全部をカバーするのは無理です。もう少し全体を包み込むような、何か手は無いだろうか。もっと地についた、実を取ったことをやるとか。本来目的はどこにあって、何をすべきかをよく考えて、もう一度いろんな政策を考えるのが一番望まれることであって、全部包み込むのは不可能だとしても、そういうやり方を望みます。