久田 茂さん
有限会社パン屋
アンベーカリー 代表取締役

〒470-2103
愛知県知多郡東浦町大字石浜字川尻23-1
電話・FAX 0562-84-5795

パンのこと

パンに使う小麦粉は、1CW、グラハム粉、フランスパン専用粉など、いろいろあります。1CWというカナダ産の小麦粉は、グルテンの質が良く、しっとりした軟らかいパンになる。同じ小麦でも製粉会社によって挽き方が違うので、粒子の細かさに違いが出る。するとパンのひきの強さボリュームなど、多少違ってきます。

扱っているイーストは、種類によって冷凍に強いものや低糖の生地に適したもの、自家製天然酵母などいろいろです。イーストという生き物ですから、作るパンによって使い分けています。配合は基本をアレンジしたもの。いろんな講習会を受けたりレシピを見ますが、『何でこんなに塩を多く入れるんだろう』と疑問に思ったら、質問をしたり聞いたりして、自分で『多い・少ない』を研究する。でも結局、基本に戻ることが多いですね。ピッコロのパンとベーグルに入れる塩と砂糖の割合は同じなんですよ。水や発酵の具合、イーストの量で全然違うものになります。

天然酵母のパンは、酸っぱくてかたいというイメージがありますが、酵母の量を減らし温度管理をして、発酵時間を必要以上には長くせず作るので、普通のパンと同程度の食感になります。また発酵バターを使うので、フレーバーはチーズみたい。何もつけなくても美味しいです。

いいものを作りたいというのが、作り手の喜びじゃないですか。同じようなものを作るにしても、自分がいいなと思うものに近づけたいので、手間がかかっても、また違う方法にしてみたり。
お客さんに食べて喜んでもらえることが、自分にとって幸せだなあと感じます。少しでもお客さんに喜んでいただけるように、常に新しいものも考え、いろんな商品を提供しています。

各種パン

ピタパンは、ピザの講習会で教えてもらった、ナポリピザの配合をアレンジしました。原形は、小麦、塩、水、少量のイーストだけです。その配合を元に、ある程度皮はもちっとさせたかったので、小麦をパン用(グルテンの強いもの)に変えて、イースト(普通のパンの1/3ぐらい)を入れて作っています。

あんパンのあんは、量を多めに詰めても食べたくなるぐらいのものを使っています。単品で食べて美味しいと感じるあんを、30gや40gもの量を詰めたら、食べれないなーってなるので。
老舗の作るあんこ、有名なパン屋が使っているあんこ、いろいろありますが、値段が高くても安くても、味を優先してなんでも使っているつもり。めちゃくちゃ値段が高いものは使えないけどね(笑)

美味しい食べ方

トーストのもちもち感を味わうなら、3cmにスライスして焼くと、表面はカリッ、中はモチモチとなります。ふわふわ感を出すなら、ラップしてレンジであたためれば、焼きたてに近いぐらいの感じになります。
食パンの保管方法は、切って1個ずつ袋かラップに包んで冷凍します。まとめて冷凍すると霜がついて、解凍した時にベタベタになります。もし霜が着いてしまったら、それを取って、軽く霧吹きで湿らせてからトースターか電子レンジで温めます。

菓子パンの冷凍は、あんパンとかはいいけど、クリームパンはダメ。大手のクリームパンは粘着剤とか入ってるからボソボソにならないけど、うちのは自家製だからボソボソになってしまいます。冷凍したあんパンは冷蔵庫で解凍して、レンジ(500W)で1個につき15秒ぐらい温めてください。