外山 智之さん
外山動物病院 獣医師

〒470-2101
愛知県知多郡東浦町森岡松原86-5
電話 0562-83-4611
FAX 0562-83-8437
https://toyama-ah.com/

人と動物の大切な関係

小さい頃から獣医師である親の姿を見ていたり、動物たちとふれあう機会も多く、子供のころから獣医師を志していました。東京の大学へ進学後、公務員を経て、名古屋市内の動物病院で研修医を経験後、後を継ぐという責任感も重なり今に至ります。生まれ育った地域で仕事ができることに、両親や地元の飼い主さんにも感謝しております。

昔は通り沿いに入り口がある建物でしたが、住居の部分を改築し、病院の面積を倍以上に広げました。設備投資をしたので医療機器も増え、時代にあった治療法も取り入れられるようになりました。道具がないためにやれない事があるのは可愛そうですからね。昔と比べ、飼い主さんの考え方も変わったと思います。自分の子供のように接して、人と動物の関係がより密になってきましたね。何よりも、ペットから与えてくれるものは言葉では表現できません。

飼い主さんにとってペットの治療は、何が正しくてどれが正解なのか、答えを出すのは難しいこともあると思います。野生だったら死んでしまうけど、ペットだから助かる命もある。動物は話ができませんし自立もしないので、いつもと様子が違うと気づいたらまず病院へ来てもらいたい。動物の治療方法だけでなく、飼い主さんの精神面も考え、意向を聞いたり時には励ます言葉も必要です。飼い主さんとペットと獣医師含め病院スタッフとの、良い三角関係を築いていくことが理想です。

情熱をもって

季節や動物の種類で流行る病気はありますよ。冬は膀胱の病気、夏は熱中症など。
冬は寒くてあまり動かないため、喉が渇きにくく水分をとらないので膀胱(泌尿器系)の病気になりやすい。梅雨から夏にかけては毎年熱中症が多くなります。
呼吸が早く、舌が紫色になる(チアノーゼ)など、見ていておかしいことがわかると思います。一概に熱中症と言っても、軽症もあれば重症で臓器まで障害が及ぶこともあります。
肥満な子、心疾患や呼吸器疾患を患っている子、パグやブルドッグなどの短頭種に分類される子たち(短頭種気道症候群)は特に注意が必要です。こまめな水分補給と生活環境を見直しながら対処してほしいと思います。

かかりつけ医のような、地域に根付いた役割を持ちつつ、時代やニーズに合う質の高い医療を目指しています。現時点では、CTやMRIのような検査機器を持ってないので、必要な場合は他施設に依頼しその後の治療を継続したりします。一部の症例でハッキリさせたい時は、専門の病院を紹介します。動物の二次診療ですね。例えば、目が見えない時は眼科の専門医を紹介します。眼が見えないにも関わらず眼に異常がなければ脳疾患などのこともあります。目が見えなくなるとその子自身の将来と、飼い主さんの負担も増えるかもしれません。その子の一生に大きく影響する時、また分岐点となるようなはっきりさせたい時は、見極めも大事だと思ってます。

医療は日々進歩します。これから更に専門性も求められると思います。現在、大学病院の神経科に籍を置き、より深く勉強しておりますが、初心を忘れず、人間性を高めるとともに情熱をもって精進していきたいです。動物医療を通じ、飼主家族の幸せに一役立てれば幸いです。