成田 盛雄さん
有限会社ミートショップ成田 代表取締役

〒470-2103
愛知県知多郡東浦町石浜田之助3-35
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集団就職最後の世代

高校を出てから関東の食肉の専門学校へ。半田市で5年ほど修行させてもらってから、24歳の時に石浜のアイプラザで独立をさせてもらいました。集団就職の最後の世代です。皆かばん1つで上野、大阪、名古屋へ出てきて、惣菜屋、肉屋、魚屋、豆腐屋、うどん屋…、そういうところへ住み込みで働きました。食べさせてもらえるから食事の心配はないけど、毎日15時間ぐらい働き月に1回休みがあるかないか。そうやって修行して独立したメンバーは非常に多い。作れば売れる時代。皆がそうだからがんばれたし、それが普通の時代でした。本当の意味で技術を取得してる世代だと思います。

名刺に経営理念

《楽しくやり続けてこそ№1  お客様に支持されてこそオンリー1》

これは平成8年ごろだったかな、社員さんやパートさんに「50の言葉の中から好きな言葉と嫌いな言葉をそれぞれ3つ選んでください」とアンケートをとりました。選んでくれた言葉の中から、数が多かったものを並べて経営理念としただけです。判断基準が単純でしょ。『お客様は神様だ』なんて言葉があったけど、まず従業員さんが楽しまなくてお客さんが楽しいわけがない。理念を作るために1年ほど研修に通い、それで行き着いた所がこの作り方でした。名刺に書いた理由は忘れちゃいけないからです。

この経営理念は形として表面に出てきただけで、要はそこへ行き着くまでの考え方が大事だと思う。潜在しているものをどう顕在化させて、世間にも知らしめ会社にも知らしめていくか。
『観考創』(見て考えて作り出す)という言葉があります。この考え方をどう伝えて顕在化するか。言葉だけが独り歩きしないように、どんな理由があってそれを作るのか。そういうことが大事であって、経営理念そのものはそんなに大事じゃないんじゃないかな、なんてことも感じますね。

短所を直すより長所をいかした方が早く伸びる、という物事の考え方です。社員さんやパートさんも長所を見出してあげて、できるだけそこを伸ばす。どうしても短所が目にいくんだけど、長所をさらに磨きをかけていく時の方が、気分が乗っかる。会得してることなら見よう見まねで3、4を飛びこえて7、8まで成長していける。そしたらそのうち短所なんて消えちゃいますよ。

これから

還暦を過ぎて1年になります。20年間親に育てられ、20年間は子どもを育て、20年間は仕事に一生懸命でした。20年おきに区切ると課題が見えてきます。今からどんな切り口でどうやって経営をバトンタッチしていくか。あまり真剣に考えるとうまくいかないし、体験せにゃわからんとも思う。賢い人は歴史から学ぶといいますが、愚か者だから体験しないとわからないんですよ(笑)。

やるかやらないかは、どんなささやかなことでも決断だと思うんです。失敗もするけど結論を早く出したほうが楽だし、そういうことがいてがいいというタイプなんです。仕事や付き合いはいつも本音。物事は全て最短。優先順位は来た順です。必要でないものは来ないから単純明快でしょ。迷うことが無い。だからそこへ行き着いた。

悩むことがあるとしたら、自分の優柔不断で悩んでるだけであって、他に責任は無いのでは。よく考えてみれば自分が悩みを大きくしてるだけ。心にずるずるひっかかっていると、楽しい場でも意外にそれがひっかかって、そこを読み取られます。人というのは、自分が見てるように人に見られてるんですね。でもそれが人間だと思う。感じるもの、感覚を大事にしたいと思います。