平成24年3月号　第32回　（株）藤江不動産　新美博教さん

大事なこと

将来的には家業を継ぐつもりで学生の時に宅建を取りましたが、それまでは好きなことをやろうと思い、車のディーラーに5年間勤めました。車が好きでしたし、お客さんとの接し方などは不動産の営業にも役立つかなと思って。いろいろ話を聞いてニーズに合うものを紹介しますから、不動産も接客ですよね。
始めのころは社長（父）と一緒に回って挨拶をしたり、雑用だったり同行したりしました。依頼を受けるのは人です。いろんなつながりが大事だと思うし、多分信頼をしてくれるから仕事をもらえると思うので、責任のある仕事だと思います。大人になってから小学校の卒業文集を見たら、『将来なりたい職業は藤江不動産』とあったんです。その頃のことは全然覚えてませんから、自分でびっくりしました。

僕が車を買う時は、営業マンで選ぶんですよ。もちろん好きな車なんですけど、合う／合わないがある。不動産でいえば、『お客さんに合ういい物件』というのが前提でありますが、やっぱり『人』が大事だと思います。ディーラーをやめる時、仲のいいお客さんへ挨拶に行きました。ある老夫婦のお客さんの所へ行った時のことですが、そのご夫婦から「次はどこへ行くの」と聞かれて。実は家がこういう仕事をしているので継ぐことに、と伝えたらそれを覚えてくれてて、土地の売却の依頼をいただきました。嬉しいですよね。それもあって、人は大事だなと思いました。

お客様へ伝える

住宅ローンの話をわかりやすく伝えるセミナーを考えてます。変動金利型を初めに選んで、上がってきたら固定型に変えよう、と考える人が多いようですけど、気をつけた方がいいと思います。金利が安いということは、返す額のうち元金の割合が多くなりますが、金利が高くなってきたら固定に切り替えるタイミングをちゃんと見極めないと、利息ばっかり払うという事態も起こりかねません。
変動金利型を利用する場合には、今後の金利動向を読む必要がありますから、面倒だと思う人や安心を買いたい人は、長期をおすすめします。10年なら10年の固定期間ですと、毎月のローンが固定額になりますから、子供が大きくなって塾や習い事に出費することになっても、毎月の固定費として家計の計算がやりくりしやすい。変動型は支払額が変わるので、やりくりが大変だと思います。10年先はわからないですし、リスクもあるということをわかってもらいたいですね。

銀行の審査は、あくまでも『返せる／返せない』の審査ではないんです。実際に返すとなると厳しいこともあるので、そこは無理にはすすめません。無理にローンを組ませて、買ったはいいけど払えなくなって中古で出てきたとなるとかわいそうなので、なるべく無理のないプランにすることが大事だと思います。話し合いを重ねながら年収を聞けるタイミングで聞いて、ローンを組むのにだいたいこれぐらい借り入れできるから、お子さんが中学生になるまではこれぐらいですね、と提案しますが、初めから年収は聞くことはできませんから難しいです。今後人生設計というか、ファイナンシャルプランナーの資格はいつか取りたいと思ってます。

子育て環境を気にされるお客さんには、東浦には子育て支援センターがあることや、中学生まで医療費が無料ということを、メリットとして上げたりします。また学区を指定される方もいますが、お母さんつながりや口コミでしょうね、お客さんの方が詳しいこともあります。
中部圏不動産流通機構というのに加入しています。ここは全国の不動産が加入してますから、条件に合う物件を探すことができます。物件を預かった以上は、売主さんに早く売ってあげなきゃいけないし、うちだけでお客さんを探してるとエリアが狭くなるので、間口を広げて早く探す。共同で新聞折込チラシも入れてますが、お店のホームページを見ていただいたり、メールでのお問い合わせも増えてます。いろんな方に見てもらえるようにブログを始めたんですけど、不動産屋ってお店に入りにくいと思うんですよ。お店に来るといろいろ聞かれるんじゃないかとか、営業がいやだという方もいますし。ブログは趣味の話が多いですけど、どんな人かわかってもらえれば嬉しいですね。