水野 安司さん
水野造園 代表者

〒470-2102
愛知県知多郡東浦町緒川平成69
電話・FAX 0562-38-5153
※4月で住所と電話番号が変わりました。
https://ameblo.jp/mizunozouen/

草刈から造園へ

高校を卒業して最初に就職したのはトラックの運送会社。4年ほどトラックに乗ってましたが、職人さんのように何か手に職を、という思いがずっとありました。

ある日、仕事中に信号待ちをしていたら4~5人で草刈りの仕事をしてる人たちがいて、それが楽しそうだったんです。夏の暑さの中、年配の女性や若い男の子たちがニコニコ笑顔で草を刈る。その様子を見て『ああいうの、いいな』って。その作業車を見たら○○造園と書いてあったので、草刈りは造園屋に行けばやれるんだと思い職安へ。探したら東海市にあったので面接に行きました。

面接で草刈りをやりたいと言ったら、「珍しいね。夏は草刈りが多いから、やりたいなら来てよ」と言ってくれて、それからなんです。こんなきっかけなので、造園屋入った時は庭を作るとか木を剪定するとか全く知らなくて。草刈りで入ったらそういう仕事がある、面白いなって。それからずっとこの仕事が大好きだし楽しいです。

独立

本当は十数年やってから独立した方がいいのかもしれないけど、修行の内容にもよりますし、年数でもないかなと思い、自分でやりだしたのは7年前です。30歳で独立して結婚もしたけどお客さんはいない状態。普通は少なくとも何十件と自分のお客さんを見つけてから独立するでしょうから、無謀ですよね。今思えば、生意気だったな、なんであんな態度をとったんだろう、という事がたくさんあります。

最初は営業のやり方もわかりませんでした。東浦をメインに近隣の市町を対象にポスティングをしたり、新聞の折込で1枠分の広告を定期的に出したり。それでも最初の3年は少しずつしか依頼がないので、同業者にお願いをして、応援作業やバイトがメインでした。
造園に特化してる人もいますけど、自分はいろいろやりたい方なので、若い人に人気があるウッドデッキや駐車場も作ります。お客さんからやれるかと聞かれた時に、やりますと答えたら絶対やるので、そうやって気づいたら、できるようになっていた事はたくさんあります。

ここ何年か感じるのは、どんな業種でもなんでも適正価格というのがあるのではないかと。当然金額が高いものはそれなりだし、安かったら安いなりの理由があると思う。適正価格で仕事ができないと、今までの伝統的な仕事をするのは難しいし、価格を下げての技術向上は無理じゃないかと思います。

お客さんは欲しいですから、金額を抑えてお客さんを増やそうかと、自分も揺らいだことはあります。でも値段を安くして一時的にお客さんが増えたとしても、値段だけを比較するお客さんはすぐに他へ流れてしまう。安売りしたら親方にも失礼ですしね。それならたくさんのお客さんはこないかもしれないけど、自分を指名して頼んでくれたお客さんを大切にして、技といったら生意気ですけど自信をもって仕事をしたいと思います。

和風を楽しむきっかけ作り

今後も大所帯にするつもりはなくて、こじんまりとした造園屋でいいので若い子に来てもらい、昔からの伝統的なものを伝えられたらいいですよね。何十年か前のように、和風庭園ブームがきてほしいなと思います。修行をしてきたところが和風の庭や植木の手入れなどが多かったので、自分もそういう和風の雰囲気が好きなんですが、洋風もできるので今風に合わせた感じでもいいんですけどね。

漠然と考えていることがあって、せっかく作業場にウッドデッキを作ったので、例えば小さな苔球盆栽を作る少人数の教室を開いてみたいです。小さい物なら遊び感覚で作れるし、作ったあとにお茶とか甘いものを食べてもらうとか。子供に木登りをしてもらうのもいいですね。和風を知ったり楽しんでもらうきっかけになったらいいなと思います。