越智 八郎さん
三山工業株式会社 代表取締役

〒470-2102 
愛知県知多郡東浦町大字緒川字葭狭間29
電話 0562-83-6151
FAX 0562-83-8822

生まれ育った大三島について

「愛媛県越智郡に大三島はあります。その島の中ほどに全国の山祇神社の総本社である、国幣大社 大山祇(おおやまづみ)神社があり、天然記念物のクスノキがあり、過去に伊藤博文や山本五十六が参拝したことで有名です。」
東浦の緒川新田地区にある山神社に行った時、大山祇神社と同じ神紋(折敷/八角形に波三文字)があったので、“東浦と縁があるなあ“と感じられたそうです。

また島には宝物館がありますが、国宝・重要文化財指定の武具甲冑類の約8割を収蔵・展示するという、日本一の武具館です。 平家の落武者が屋島から壇ノ浦へ逃れる途中、大三島にあがったという話や、「さむらい墓」というものもあり、武具が身近に感じる環境でした。

進学そして就職

大三島から進学のため愛知県へ行き、大学では伝統ある空手部に所属。
「就職で九州の長崎と離れましたが、お酒の強い土地柄のため飲む機会が多く、それによって多くの人と仲良くなりました。」
その後、愛知県へ戻り会社を設立。

「空手部の伝統に“後輩の面倒を見る”というのがあります。お世話になった恩師や先輩方にお礼をしたいと思うものですが、なかなか出来ません。その頂いた恩は、直接その本人に返すのではなく、後輩へ送れというものです。」恩送りは後輩に限らず、地域や商工会へと広く送られているのが伝わります。

今も空手部の先輩方や後輩との付き合いが続いており、年の離れた現役の学生と飲む機会があるそうです。「若い人は大きく高い夢を抱きますが、自分はもう少し手の届きやすい夢を抱きます。すると学生は『先輩、それは夢とは違うのではないですか?』と熱く議論を交わしてきます。しかし自分は先が短いし(笑)、叶えられそうな夢を抱きながら、それをどんどん実現させていくのも良いのではないか、と思う。」

3つの味の話

前味…食べる前。店の雰囲気や注文する時の様子など
中味…料理そのものの味
後味…その後のフォロー、片付け、お茶のおかわりや、どうぞごゆっくりなどの声かけ

「この3つの味で、また来たいなあと思うか、もう来ないぞと思うか、お客さんの印象は違います。製造でいえば、品質はもちろん1番ですが、次に納期、最後は金額(安く)となります。いいものを作るのは当たり前です。その後のフォロー、例えば『あの製品はいかがでしたでしょうか』と聞き、その反省を生かしてまたいい物を作るのが大切だと思います。褒めてもらえれば、やはり嬉しいしね。」

これからの社会

お話を伺っていますと、何にでもまっすぐに向き合っていらっしゃいます。
「基本の姿勢は同じ。空手道に『空手に先手なし』という言葉がありますが、これが自分の生きる基礎となっていると思います。どんな時も自分の基本(軸)をしっかり持ち、商工会、会社、地域、どれに対しても自分だけでなく、みんなどこの会社でもなんでも同じです。同じ上でそれぞれの立場で考える。今、世の中は非常に厳しい状況です。企業は経営改善、地域は活性化。バランスのとれた地域あっての自分ですから、その中で商工会はどうするかを考えなければなりません。」

「好きな言葉に『知足・共生・変革』があります。足るを知り分をわきまえ、自分だけではなく皆でという意識を持ち、変化に対応するものとする。この3つを常に繰り返すことにより、いろんなことが良くなっていくのではないかと思います。」